地域にあわせた工法
群馬県の平野部は典型的な内陸性気候で、夏は高温多湿、冬は「からっ風」と呼ばれる乾燥した強風の吹く気候です。
夏の対策は床下換気です。いにしえの知恵で
「ねこ間」(土台と基礎の間に換気のための隙間を作る工法)を
基礎に採用し、床下の換気量を十分に確保し均等に風が通るようにします。
換気を良くすることは土台の防腐になり、シロアリの被害を防ぐことにつながります。
ねこ間は基礎の欠き込みがなくなり、耐震の上からも好ましく近年多い工法です。
シロアリの被害は増えてきています。
その一因として、群馬県はかつて養蚕が盛んで桑畑が多かったのですが、現在は宅地化がすすみ、シロアリが桑畑から住宅へ住み替えしていることがあげられます。
単に防腐・防蟻処理をした材を使うだけでなく、シロアリに強い材料を選ぶことが、前述の床下の換気対策とともに重要です。
上州名物「かかあ天下とからっ風」に並んで、雷(雷雨)も有名です。
平成8年に10分間に32㎜の雨量を記録したこともあり、わずか20分ほどの間に大量の雨が降ります。
短時間で大量の雨水を処理できないと、道路や庭は水浸しになり、床下浸水を招くこともあるのです。
昔の民家を見ると敷地の高低で排水を上手にコントロールしている家が多く、参考になります。
また、建物だけでなく道路など地域全体の雨水排水計画が必要です。住宅地は家が密集し、どうしても隣家との距離がとれず敷地の通風が悪い場合があります。外柵は通風の良い材料を選び、家だけでなく、敷地全体の通風を良くすることが家を長く安全に保つ秘訣です。礎(いしずえ)に重点を置いた家づくりをしたいものです。